どんなところにも工夫の余地はある

先だって、私が作っているWEbアプリに要望があった。

それは、名字を入力するとAJAXを使って社員一覧が表示されるプログラム。
社員は1万人近くもいる。
だから、その人の所属する部署の人にヒットしても一覧上ではかなり下に表示されるので不便だというのだ。このAJAXプログラムは、当初はみんなに感謝された。
とても便利になったし、快適だと言う。だから、そんなもんだと思っていた。

第一感。そんな要望。聞いてられない。
ワンクリックでリストが表示されるようにしているわけで、その人だけの要望を聞くわけにはいかない。ましてや、その人がどの所属の人の名簿をみたいのかが不明なのだ。
その人の所属している人を自動的に呼び出すか?それは無理。
だって、その建物には所属の違う人がたくさんいる。

一瞬。できません。と答えかけた。

でも、ふと。思い直した。無理な要望も聞いているうちになにか発展があるかもしれない。

で、いろいろ考えたら思いついた。

社員名を入力する欄に「姓」だけではなく空白をいれて、「姓+空白+支店名」を入力してもらうように設計した。

なんということのない発想だが、これが受けた。

佐藤さんや田中さん、鈴木さんなどの多い名字の人を数名に絞り込めるのである。

自分で入力してみてもわかったのだが、便利。

技術的にも、入力したワードを空白で分割するだけのこと。

それぞれ、クエリーに割り当てるだけだった。

私は自分の技術の手止まりを恥じた。

ユーザーのどんな要望にも、必ずなにかある。

どんなわがままな要望にもプログラム上の工夫を促すなにかがある。

ほとんどのユーザーは我慢強くアプリケーションを使ってるのだ。

明日からもっと真剣にユーザーの意見を聞こうと心に決めた。