サイトの価値

週刊ダイアモンド(8月31日発行)に企業サイトの事業貢献度測定という記事が掲載されました。昨年に続く「ランキング記事」です。内容がウェブ解析士にとっても、興味深いので紹介させていただきます。

●1位は全日空で2位が日本航空、3位がトヨタ

べつに驚くような結果ではありませんが。そんなもんだろうなと思います。名だたる会社がベスト10入りしていまして、237位までがどこかで聞いたことのある企業が名を連ねています。これらの企業に関係する会社のウェブ解析などのお手伝いをしている解析士の方は一応目を通しておくとよいかもしれません。

●サイト価値ランキングとは

日本ブランド戦略研究所の「Web Equity2013」という調査から評価されたサイトをランキングしたものです。対象サイトは260サイト。全業種を網羅的に対象としています。ほとんどが、一部上場企業です。情報収集手段はアンケート形式によるものです。20260人からの回答が寄せられています。・日本ブランド戦略研究所「Web Equity2013」http://japanbrand.jp/product/we/

●どのように評価しているのか

日本ブランド戦略研究所では、二つの観点からサイトを評価しています。その二つとは、1)売上価値と2)情報価値です。まず、1)売上価値を見てみますと売上価値=推定購入者数 × 売上価値単価となっています。説明によると「売上価値単価は業種ごとに各社共通」だそうですが、具体的にどのように算出されたのかはわかりません。 この計算式は我々ウェブ解析士のレポーティングにも使えそうですね。売上価値単価を、平均売上単価と置き換えてもよいですし、期待売上も含めた売上単価に置き換えても使えそうです。次に、2)情報価値です。情報価値=閲覧価値 × 行動価値となっています。閲覧価値というのは、閲覧価値=閲覧ページ数 × ページ単価となっています。これまた、ページ単価って何やねん?ていう感じですが、よくわかりません。企業秘密なんでしょうね。また、行動価値というのがあります。行動価値 = 推定行動者数 × 行動価値単価(行動タイプ別)という式です。興味深いのが行動価値単価です。サイトの記述によると、行動単価は行動の内容・性質に鑑み独自に設定(例:資料請求の場合は郵送で送った場合の郵送費)と説明されています。要するに、ユーザーが閲覧した後に、行動を起こしたとして、そこで発生する費用。というようなものでしょうか。多く発生すればするほど、サイト側には効果があったとみなすのでしょう。この項目も使えるかもしれません。ユーザーが購買に至る過程において、いろいろ発生する費用を含めて行動単価として把握しておくと投下する広告費などの算出根拠に使えるでしょう。

●ウェブ解析への応用

いずれにせよ、これらの評価は一般ユーザーに理解が得られやすい評価体系になっていますね。複雑な計算式はありません。(ちょっと怪しい項目もありますが)特に、異業種との比較においては、わかりやすい。また、成果がなかなか上がらないサイトにおいては、情報価値という切り口でサイトの評価を試みる価値があると思います。目に見えにくい項目でも、「見えるようにする評価手法」があれば、クライアントにとっても、サイト運営が意義あるものになると思います。私たちウェブ解析士もそういった提案ができるように勉強していきましょう。