『ITパスポート』と『ウェブ解析士』を比較してみるか-9

前回までで、ストラテジ系は終わった。あとは、ひたすら問題集を解くだけ。
今回から、マネジメント系の分析に入る。まず、「3:経営戦略マネジメント」についてキーワードをみてみよう。

再掲

大分類中分類項目TACテキスト
1:企業と法務1:企業活動1. 経営・組織論
2. 業務分析・データ利活用
3. 会計・財務
1-1. 経営組織とヒューマンリソース
1-2. 業務分析とデータの利活用
1-3. 意思決定と問題解決技法
1-4. 財務会計、管理会計
2:法務4. 知的財産権
5. セキュリティ関連法規
6. 労働関連・取引関連法規
7. その他の法律・ガイドライン・技術者情報倫理
8. 標準化関連
1-5. 知的財産権
1-6. その他の法務知識
1-7. 標準化
2-6. システム戦略
2:経営戦略 3:経営戦略マネジメント
9. 経営戦略手法
10. マーケティング
11. ビジネス戦略と目標・評価
12. 経営管理システム
2-1. 経営戦略
2-2. マーケティング
2-3. ビジネス戦略と技術戦略
4:技術戦略マネジメント
13. 技術開発戦略の立案・技術開発計画2-3. ビジネス戦略と技術戦略
5:ビジネスインダストリ14. ビジネスシステム
15. エンジニアリングシステム
16. e-ビジネス
17. IoT システム・組込みシステム
1-3. 意思決定と問題解決技法
2-5. エンジニアリングシステム
3:システム戦略 6:システム戦略
18. 情報システム戦略
19. 業務プロセス
20. ソリューションビジネス
21. システム活用促進・評価

2-4. ビジネスシステム
2-6. システム戦略
2-7. モデリング技法
7:システム企画22. システム化計画
23. 要件定義
24. 調達計画・実施
2-8. システム企画
ITパスポート試験シラバス(変更箇所表示版) (ipa.go.jp) と「ニュースペックテキスト ITパスポート 2023年度 オールカラー図解 これ一冊でインプット&アウトプット 」から抜粋して管理人が作成

2:経営戦略 > 3:経営戦略マネジメント

キーワードをピックアップしてみた。赤字のキーワードは、シラバスVer6.0から新たに追加されたキーワードだ。

Noキーワード意味ウェブ解析士
1SWOT 分析組織やプロジェクトの強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を評価する分析手法
2PPM製品ポートフォリオ管理。製品やサービスのポートフォリオを戦略的に管理する手法
3VRIO 分析資源の価値(Value)、希少性(Rarity)、不易性(Imitability)、組織の活用能力(Organization)を評価する分析手法
4外部環境企業や組織に影響を与える外部の要素や状況
5内部環境企業や組織の内部で制御可能な要素や状況
63C 分析顧客(Customer)、競合(Competitor)、企業(Company)の3つの要素を分析する手法
7競争優位他社との競争において優れた位置にある状態
8イノベーション新しいアイデアや技術の創造、導入、および実現
9コアコンピタンス企業が競争上の優位性を持つための特別な能力やリソース
10ニッチ戦略狭い市場セグメントに特化し、競争優位を築く戦略
11同質化戦略競合他社との差別化をせず、市場の一般的なニーズに合わせる戦略
12ブルーオーシャン戦略競合のない未開拓の市場領域に進出し、競争を回避する戦略
13アライアンス企業同士が提携し、協力関係を築くこと
14アウトソーシング他社や外部の専門業者に業務や機能の一部を委託すること
15M&A企業の合併と買収(Mergers and Acquisitions)
16OEM相手先ブランド製造。他社のブランドの製品を自社で製造すること
17ファブレス自社製品の製造を外部のファウンドリ(製造業者)に委託すること
18フランチャイズチェーンブランドを展開し、他の事業者に特許やノウハウを提供することで拡大するビジネスモデル
19MBO経営陣による自社の買収(Management Buyout)
20TOB公開買付け。上場企業の株式を買い取るための公開の勧誘
21規模の経済生産量や規模の拡大によって生じる経済効果
22経験曲線生産量の増加に伴い、生産コストが一定割合で減少する現象
23垂直統合企業が自社の供給チェーン上流または下流の業務を統合すること
24コモディティ化製品やサービスが類似性が高まり、競争が激化する状況
25ベンチマーキング自社の業績やプロセスを他社と比較し、改善のための手がかりを得ること
26ロジスティクス製品の流通や物流、供給チェーンの管理と実行
27カニバリゼーション自社の製品やサービスが自社の他の製品やサービスの需要を侵食すること
28ESG 投資環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の観点から持続可能性を重視した投資
29市場調査市場や顧客のニーズや傾向を調査し、情報を収集する活動
30販売・製品・仕入計画製品の販売、製造、仕入れに関する計画を立てる活動
31広告商品やサービスを宣伝するための広報活動
32販売促進製品やサービスの売上を促進するためのマーケティング活動
33顧客満足顧客が商品やサービスに満足している状態や評価
34UX(User Experience)ユーザーが商品やサービスを使用する際の全体的な体験や感じ方
354P・4C4P(Product、Price、Place、Promotion)と4C(Customer、Cost、Convenience、Communication)のマーケティング要素の対応
36RFM(Recency, Frequency, Monetary)分析顧客の最終購買日、購買頻度、累計購買金額などの要素を分析して顧客の価値を評価する手法
37アンゾフの成長マトリクス市場開拓、市場開発、製品開発、多角化の4つの成長戦略をマトリックスで分類する手法
38オピニオンリーダー特定の分野や商品についての意見や影響力を持つ人々
39オムニチャネル複数のチャネル(オンライン、オフラインなど)を統合し、顧客との接点を最適化するマーケティング手法
40ブランド戦略ブランドの価値や差別化を確立し、市場で競争上の優位性を築く戦略
41プロダクトライフサイクル製品の導入、成長、成熟、衰退の4つの段階を表したライフサイクルモデル
42ポジショニング製品やブランドを顧客の心や競合と比較して特定の位置に配置すること
43セグメントマーケティング市場を細分化し、異なる顧客セグメントに合わせたマーケティング戦略を展開すること
44ダイレクトマーケティング個別の顧客に直接的にアプローチし、直接的なコミュニケーションや販売を行うマーケティング手法
45クロスメディアマーケティング複数のメディアチャンネルを組み合わせ、統合的なマーケティングメッセージを展開する手法
46インバウンドマーケティング顧客が自ら興味を持ち、自発的に企業やブランドに接触するようなマーケティング戦略
47プッシュ戦略製品やサービスを積極的に押し出し、顧客への情報や宣伝を一方的に送り込むマーケティング手法
48プル戦略顧客の需要に応じて製品やサービスを引き寄せるためにマーケティング活動を行う手法
49スキミングプライシング新製品を高価格で導入し、競合他社よりも高いマージンを確保するための価格戦略
50ペネトレーションプライシング低価格で製品を導入し、市場に浸透することを重視する価格戦略
51ダイナミックプライシング需要や競合状況に応じて価格を柔軟に調整し、最適な価格を実現するための価格戦略
52BSC(Balanced Scorecard)組織の総合的なパフォーマンスを評価するために、財務面以外の視点(顧客、プロセス、学習・成長)を統合的に考慮するマネジメント手法
53CSF(Critical Success Factors)成功するために必要不可欠な要素や条件
54KGI(Key Goal Indicator)目標の達成度や進捗状況を測定するための重要な指標
55KPI(Key Performance Indicator)成果や業績を評価するための重要な指標
56バリューエンジニアリング製品やプロセスの機能や品質を最適化し、コストや顧客価値を向上させる手法
57CRM(Customer Relationship Management)顧客との関係を強化し、顧客満足度やロイヤルティを向上させるための戦略とツールセット
58バリューチェーンマネジメント企業が製品やサービスを提供するために必要な全ての活動やプロセスを統合的に管理する手法
59SCM(Supply Chain Management)供給連鎖全体を最適化し、原材料から最終製品までのフローを効果的に管理する手法
60TQC(Total Quality Control)・TQM(Total Quality Management)品質管理を全社的に実施し、品質を向上させるための組織的な取り組み
61ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージ企業全体の業務プロセスを統合的に管理するためのソフトウェアパッケージ
62シックスシグマプロセスの品質改善とバリエーションの削減を通じて、業績を向上させるための手法
63ナレッジマネジメント組織内の知識を収集、共有、活用し、組織全体のパフォーマンスを向上させるための手法
64TOC(Theory Of Constraints)制約要因を特定し、それを克服することによって全体的な業績を改善するための管理手法

キーワード64個中、「ウェブ解析士」のテキストに登場したキーワードは28個だった。
全体では、28/64=43.8%。約43%にキーワードの重複が見られた。

テーマは「経営戦略マネジメント」。このカテゴリーは、結構重複してるんじゃないかなと思っていたが、まあこんなものか。

  1. No11「PPM」がウェブ解析士のテキストにないのは意外だった。常識に近いキーワード。
  2. No12の「ブルーオーシャン戦略」は、初期のウェブ解析士のテキストには載せていた記憶がある。いまではちょっと古いキーワードだな。
  3. No45「クロスメディア・マーケティング」は必須の知識。でも、ウェブ解析士のテキストにはない。ウェブ広告マネージャー資格のテキストに掲載されているだろう。
  4. どちらの資格においても、戦略系の全体像は押さえておいたほうがよい。

次回へと続く


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参考