『ITパスポート』と『ウェブ解析士』を比較してみるか-11

「5:ビジネスインダストリ」についてキーワードをみてみよう。この分類は項目が多いので、一つずつ見て行く。

再掲

大分類中分類項目TACテキスト
1:企業と法務1:企業活動1. 経営・組織論
2. 業務分析・データ利活用
3. 会計・財務
1-1. 経営組織とヒューマンリソース
1-2. 業務分析とデータの利活用
1-3. 意思決定と問題解決技法
1-4. 財務会計、管理会計
2:法務4. 知的財産権
5. セキュリティ関連法規
6. 労働関連・取引関連法規
7. その他の法律・ガイドライン・技術者情報倫理
8. 標準化関連
1-5. 知的財産権
1-6. その他の法務知識
1-7. 標準化
2-6. システム戦略
2:経営戦略 3:経営戦略マネジメント
9. 経営戦略手法
10. マーケティング
11. ビジネス戦略と目標・評価
12. 経営管理システム
2-1. 経営戦略
2-2. マーケティング
2-3. ビジネス戦略と技術戦略
4:技術戦略マネジメント
13. 技術開発戦略の立案・技術開発計画2-3. ビジネス戦略と技術戦略
5:ビジネスインダストリ14. ビジネスシステム
15. エンジニアリングシステム
16. e-ビジネス
17. IoT システム・組込みシステム
1-3. 意思決定と問題解決技法
2-5. エンジニアリングシステム
3:システム戦略 6:システム戦略
18. 情報システム戦略
19. 業務プロセス
20. ソリューションビジネス
21. システム活用促進・評価

2-4. ビジネスシステム
2-6. システム戦略
2-7. モデリング技法
7:システム企画22. システム化計画
23. 要件定義
24. 調達計画・実施
2-8. システム企画
ITパスポート試験シラバス(変更箇所表示版) (ipa.go.jp) と「ニュースペックテキスト ITパスポート 2023年度 オールカラー図解 これ一冊でインプット&アウトプット 」から抜粋して管理人が作成

5:ビジネスインダストリ >14.ビジネスシステム

キーワードをピックアップしてみた。赤字のキーワードは、シラバスVer6.0から新たに追加されたキーワードだ。

Noキーワード意味ウェブ解析士
1流通情報システム商品の流通に関する情報を管理するシステム
2金融情報システム金融取引や銀行業務に関する情報を管理するシステム
3POSシステム販売時点の情報を管理するシステム
4GPS応用システム全地球測位システムを利用した応用システム
5GIS地理情報を収集・管理・分析するシステム
6ITS高度な道路交通システムを指す。(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム
7ETCシステム電子料金収受システム
8ICカード情報を格納・処理するためのカード
9RFIDICタグを用いた無線通信技術
10セルフレジ顧客が自ら商品をレジで精算するシステム
11営業支援システム(SFA)営業活動を支援するためのシステム
12トレーサビリティ製品の流れを追跡・管理する能力
13スマートグリッド電力網をICT技術で効率化するシステム
14CDNコンテンツを高速に配信するためのネットワーク
15デジタルツイン物理的なオブジェクトのデジタルなモデル
16サイバーフィジカルシステム (CPS)コンピュータと物理的な世界を統合したシステム
17住民基本台帳ネットワークシステム国民の住民登録情報を一元管理するためのネットワークシステム。住民情報の管理や提供に使用される。
18電子入札インターネットや電子システムを用いて行われる入札手続きのこと。従来の紙ベースの入札手続きに比べ効率化を図る。
19マイナンバー日本における個人を識別するための12桁の番号。税や社会保障などの行政手続きで使用される。
20マイナンバーカードマイナンバーが記載されたICチップ付きのカード。本人確認や電子証明書として使用される。
21マイナポータルマイナンバーシステムに関連する各種情報やサービスを提供するポータルサイト。マイナンバーの利用状況などが確認できる。
22緊急速報災害や緊急事態などの情報を迅速に一斉に通知するためのシステム。国民への警報や注意喚起に使用される。
23Jアラート(全国瞬時警報システム)緊急速報の一環として、日本国内全域に対して重大な災害情報や危機事態を通知するためのシステム。テレビやラジオで放送される。
24業務別ソフトウェアパッケージ業務の種類に特化したソフトウェアパッケージ。会計、営業支援、販売管理などが該当する。
25業種別ソフトウェアパッケージ業界や特定の業種に特化したソフトウェアパッケージ。金融、医療、製造、運輸などが該当する。
26DTP(DeskTop Publishing)デスクトップパブリッシングの略称。デザインやレイアウ
27人間中心のAI社会原則AIの開発・利用において、人間の利益や幸福を最優先に考慮する原則。
28人間中心の原則AIの設計・運用において、人間の自律性、プライバシー、安全性を重視する原則。
29公平性・説明責任・透明性の原則AIシステムの利用において、公平性を保ち、説明責任を果たし、透明性を確保する原則。
30AI利活用ガイドラインAI技術の利活用に際して、社会的な価値、公正性、倫理性を考慮したガイドライン。
31信頼できるAIのための倫理ガイドラインAIの設計・開発・運用において、倫理的な観点から信頼性を確保するためのガイドライン。
32特化型AI特定のタスクや領域に特化したAI。例えば、画像認識や音声認識など特定の機能に特化したAI。
33汎用AI幅広いタスクや領域に対応できるAI。人間のような汎用的な知能を持つAIを指すこともあります。
34AIによる認識AIがデータを解析して、画像、音声、テキストなどを認識する能力。
35AIによる自動化AIがタスクやプロセスを自動化する能力。例えば、自動運転車や自動チャットボットなどが該当します。
36AIアシスタント人間の日常的な活動を支援するためのAI。例えば、スマートスピーカーの音声アシスタントや仮想アシスタントなど。
37データのバイアスデータに偏りがあることによる影響。統計的バイアスや社会の様態によって生じるバイアスなどが存在します。
38アルゴリズムのバイアスAIのアルゴリズムに偏りがあることによる影響。例えば、訓練データの偏りによるバイアスなどがあります。
39AIサービスの責任論AIサービスの開発・運用において、倫理的・法的な責任がどのように分担されるべきかに関する議論。
40トロッコ問題倫理的なジレンマを示す思考実験の一つ。トロッコの制御に関する選択肢と倫理的な選択との間の衝突を示す問題。

キーワード40個中、「ウェブ解析士」のテキストに登場したキーワードは7個だった。
全体では、7/40=17.5%。約18%にキーワードの重複が見られた。「ウェブ解析士」の守備範囲にDX推進などもテーマに扱うなら少ない感じがするな。今後の課題といったところか。

  1. ビジネスシステムの名称くらいはおさえておきたい。
  2. No14の「デザイン思考」は、ウェブ解析士のテキストには是非掲載したい内容だ。
  3. No27-39は「AI関連」のキーワードである。今後は「AI」に関するキーワードは増えていくだろう。「ウェブ解析士」のテキストにも取扱量は増やしたい。また、「ウェブ解析士」でない方も当然、押さえておくべきキーワードだ。特に、IT人材が不足している中小企業に対してアドバイスしていくなかで、AI利活用は必要不可欠になる。
  4. AI を利活用する上での留意事項として、倫理面のことを押さえておくために、No40 「トロッコ問題」が用例に出てるのが興味深い。平たく言うと、最大限の幸福を目指すか、最小限の損害、どちらを重視するかっていう問題だが、ITパスポートのシラバスに出てるんだな。

次回へと続く


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参考