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本当の課題を見つけろ

F02|Find|発見の法則

相手から相談を受けると、そこにはたいてい「困っていること」があります。

「人手が足りない」
「売上が伸びない」
「問い合わせが少ない」

もちろん、それらは問題です。

しかし、相手が最初に話した問題を、そのまま解決すべき課題だと考えてしまうと、提案を間違えることがあります。

相手が話している問題と、解決すべき課題は同じとは限りません。

なぜ、それが困るのか。
何ができないから困るのか。
その先で、誰が困っているのか。

一段深く見ていくことで、最初とは違う課題が見えてくることがあります。

200人の営業担当者に、どうやって情報を届けるか

会社員だった頃の話です。

当時、私は小さな会社に勤務していました。親会社には十分な人員がいましたが、私たちの会社には同じような人数を配置する余裕がありません。一方で、約200人の営業担当者に情報を伝える必要がありました。

表面的に考えれば、「人手が足りない」という問題です。
しかし、本当に解決すべきことは、人を増やすことだったのでしょうか。
必要だったのは、

少ない人数でも、約200人の営業担当者に情報を確実に届け、相手が読んだことまで確認できること

でした。
そこで、当時普及し始めていたi-modeを使って「伝言板」のような仕組みを作りました。担当者がメッセージを登録すると、営業担当者は携帯電話から確認できます。さらに、誰がメッセージを読んだのかも分かるようにしました。

結果として、一人の担当者でも約200人と情報をやり取りできるようになりました。
もし「人手不足」が課題だと考えていたら、答えは「人を増やす」になっていたかもしれません。

しかし、

「人が足りない」を「情報が届かない」に置き換えたことで、まったく違う解決方法が見つかりました。

商品はある。情報もある。それでも売れない

別の仕事で、ネジや工具などを扱う大規模なB2BのECサイトを支援したことがあります。商品データベースは充実していました。商品を選ぶために必要な情報も、かなり詳しく掲載されていました。それでも、思うように売れません。

サイトだけを見ていれば、「もっと商品情報を充実させよう」「検索しやすくしよう」と考えたかもしれません。しかし、法人の担当者が商品を購入する場面を考えていくと、別の問題が見えてきました。担当者が「これを買いたい」と思っただけでは、購入できない会社があります。社内で稟議を通したり、上司に説明したりしなければなりません。

つまり、サイトを見ている担当者の次には、その購入を承認する人がいたのです。

そこで、稟議書や社内説明に使える数値や資料をまとめたページを作りました。すると、そのページへのアクセスが増え、法人からの問い合わせにもつながりました。

商品を選ぶための情報はあった。
足りなかったのは、

商品を「選ぶための情報」ではなく、「社内で選んだ理由を説明するための情報」だったのです。

顧客だけを見るな。その先を見ろ

この経験から、提案するときには、目の前の相手だけを見ないようになりました。

その人は、誰に説明するのか。
その人が行動すると、次に誰が動くのか。
どこで止まってしまうのか。

そこまで見ていくと、本当の課題が見つかることがあります。特に企業では、一人の意思だけで物事が決まるとは限りません。上司、経営者、他部署、取引先、顧客。

相手の行動を止めているものが、相手自身にあるとは限らないのです。

問題を、そのまま課題にしない

相手が「アクセスを増やしたい」と言ったから、アクセスを増やす。

「人が足りない」と言ったから、人を増やす。
「売れない」と言ったから、広告を増やす。

それでは、相談された問題に答えているだけになってしまいます。
私は、提案する前に少し立ち止まって考えるようにしています。

なぜ、それが問題なのか。
それが解決すると、何が変わるのか。
誰が行動できるようになるのか。
どこで行動が止まっているのか。

こうして問題を分解していくと、提案すべきものが変わることがあります。

問題は、相手が見えているものです。
課題は、提案者と相手が一緒に見つけるものです。

F01からF02へ

F01では、

「答えを持っていくな。見つけにいけ。」

としました。

では、何を見つけにいくのでしょうか。

その一つが、本当の課題です。

相手の話を聞く。
現場を見る。
データを見る。
相手の行動だけでなく、その先にいる人を見る。

そして、最初に聞いた問題をそのまま課題だと思わない。

だから私は、提案するときにこう考えています。

本当の課題を見つけろ。

よい提案は、よい解決策から始まるのではありません。

何を解決すべきなのかを、正しく発見するところから始まるのです。

提案の成長スパイラル:Find|発見
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