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データだけでなく、現場を見ろ

F04|Find|発見の法則

ウェブサイトを改善するとき、データはとても重要です。

アクセス数、流入経路、閲覧ページ、離脱、コンバージョン。

データを見れば、サイトの中で何が起きているのか、多くのことが分かります。

しかし、長くウェブ解析の仕事をしていると、データを見れば見るほど、逆に感じることがあります。

データは、起きたことを教えてくれます。
しかし、なぜそうしたのかまで教えてくれるとは限りません。

数字の向こうには、実際に考え、迷い、選び、行動した人がいます。

その人に近づかなければ、見つからないことがあります。

3万円近いサングラスを買ってみた

あるサングラスメーカーのECサイトを分析したときのことです。

もちろん、サイトのデータも調べました。

しかし、分析しているうちに、私は別のことが気になりました。

「自分だったら、なぜこのサングラスを買うのだろう。」

そこで、サイトを眺めるだけではなく、実際に自分が欲しいと思ったサングラスを買ってみることにしました。

価格は3万円近くしました。

分析のためだけに買ったわけではありません。本当に自分が欲しいと思った商品を、自分のお金で購入しました。

すると、「分析する側」では見えていなかった感覚が出てきました。

買う側になって初めて分かること

3万円近いサングラスとなると、私にとって気軽な買い物ではありません。

欲しい。

でも、本当にこれを買ってよいのだろうか。

もっと安いものでもよいのではないか。

買ったあとで後悔しないだろうか。

そんなことを考えます。

サイトのデータには「商品ページを見た」「比較した」「購入した」と記録されるでしょう。

しかし、その間に私が何を考え、何に迷ったのかは、その数字だけでは分かりません。

そして私は、そのメーカーが持っている特許に目が留まりました。

「この商品には、他とは違う技術がある。」

それが、私にとってこのサングラスを選ぶ理由の一つになりました。

「なぜ私は買ったのか」を提案にした

その後の提案では、単にアクセス解析の結果を説明するのではなく、

「なぜ私は、このサングラスを買ったのか」

という視点から話をしました。

そこで、特許の存在についても取り上げました。社内では以前から知っていることであり、メーカーにとっては特別な発見ではなかったのかもしれません。しかし、買う側になった私にとって、それは購入を後押しする大切な情報でした。データを分析していただけでは、同じように気づけたかどうか分かりません。

自分が顧客になってみたことで、数字の向こう側にあった迷いや納得を経験できたのです。

現場を見るとは、現地へ行くことだけではない

「現場を見ろ」と言うと、店舗や工場へ足を運ぶことを想像するかもしれません。

もちろん、それも大切です。

しかし、私が考える「現場」は、もっと広いものです。

実際に商品を買ってみる。
問い合わせフォームを自分で入力してみる。
スマートフォンでサイトを使ってみる。
店に行ってみる。
担当者の仕事を見る。
顧客の話を聞く。

実際に行動が起きているところへ近づくことが、現場を見るということです。

そこには、データには記録されない不便さや迷い、安心、驚き、納得があります。

データか、現場か、ではない

ここで誤解してほしくないのは、「データは役に立たない」と言っているわけではないことです。

むしろ逆です。

データがあるから、気になる場所を見つけられます。
そして現場を見ることで、数字の理由について仮説を持つことができます。
さらに、その仮説をデータで確かめることもできます。

データを見る。
現場を見る。
そして、もう一度データを見る。

この往復によって、最初には見えなかったものが見えてきます。

数字の向こうにいる人を見る

アクセス解析では、一人ひとりの人が数字として表れます。

ユーザー。
セッション。
イベント。
コンバージョン。

分析するためには必要なものです。

しかし、提案するときには、その数字をもう一度「人」に戻して考える必要があります。

なぜ、この人は見たのだろう。
なぜ、迷ったのだろう。
なぜ、買ったのだろう。
なぜ、買わなかったのだろう。

データだけでは答えが出ないなら、現場へ近づいてみる。

だから私は、提案するときにこう考えています。

データだけでなく、現場を見ろ。

よい提案は、数字を正しく読むだけでは生まれません。

数字の向こうで実際に起きていることを見にいくことで、初めて発見できるものがあるのです。

提案の成長スパイラル:Find|発見

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