ウェブ解析士マスターの亀井耕二です。
日銀の白川総裁が辞任されたので、彼に似ているという私の「つかみネタ」には使えなくなりました。…ちょっと残念です。
先日、私がサポートしているサイトについて、営業のセールス電話を受けました。
「あのう、ご担当者さまでしょうか?」
「はい、そうですが。」
「いま、お時間よろしいでしょうか?」
「はい、ご用件は?」
「はい。弊社では、御社のサイトに訪問しているユーザーさまの足取りをフォローしてですね。どこの会社から来ているかを見つけて、御社のプロモーションにつなげるお手伝いをさせていただいております。」
へえー。ミクロ分析やん!。
なぜか、上級ウェブ解析士から電話をもらったようで嬉しくなった。
こういうアプローチしてくるんや。 「足どり」とは 上手いこと言う。
今後の効果ある「営業トーク」のために参考までに聞いておくことにした。
「ほほう。それって、アクセス解析かなにかですか?」(と、聞いてみた)
「いいえ。弊社では御社のサイトへの訪問したお客様の足取りから会社を特定して御社のプロモーションをお手伝いさせていただいております。」
ん?さっきと同じトークやん。
ちょっと、専門的な質問をしてみよう。
「ということは、ユーザーのIPアドレスから組織名とかを逆引きするんですね。」
「いいえ、あくまでもお客様の足取りを特定します。そしてですね。….云々。」
長々とした説明がつづいた。
でも、私の質問には答えていない。
会社をもう一度確認しておくことにした。
「失礼ですが、御社のお名前をもう一度お願いします。」
「はい。弊社は○○にある○○と申します。」
素早く検索してその会社のサイト表示させてみる。
ウェブ制作会社だ。
ヤフー広告の正規代理店だとか、数々のコンサルテーションの実績がどうとかのコンテンツが盛りだくさん。
きれいに作ってる。腕前は平均といったところか。
いかにも「切れます!」モードのやり手のウェブマーケッターが爽やかな顔写真とともに紹介されている。
ウェブプロモーションについてのうんちくも語られている。
その中に、アクセス解析ツールの販売というのを見つけた。
これかな。
「いま、御社のサイトを表示させました。なかなか立派なサイトですね。」
「あ、ありがとうございます。」(ちょっと、動揺したような)
「このツールの販売の案内ですか?」
「いいえ。あくまでもお客様の足取りを…云々。」
ははあ、テレマーケティングやな。
この会社の人ではなさそうだ。
でも、念のため確認しとこ。
「ユーザーの会社がわかると、私のところでどんないいことがあるんですか?」
「はい。お客様が特定できますと御社の販売プロモーションが効果的に展開できます。私どもでは、….。」
やはり、同じような長々とした説明がつづいた。
あんた。やっぱり、うちのサイト、見てへんな。 ←と関西弁の突っ込み
それはあかんで! ←とさらなるトドメの関西弁の突っ込み
管理するサイトはなにも販売もしていなければプロモーションもしていない。
企業イメージの広報(IR等)が目的のサイトなのだ。
そろそろ、電話をおしまいにする時間がきた。
「残念ですが、御社と同じツールをね、すでに購入してるんですよ。」(と、言ってみた)
「えっ、購入されておられるんですか。いつ頃からご導入されているのでしょう?」
「つい最近です。せっかく、ご案内していただいたのにすみません。」
「そうですか。わかりました。念のため、ご担当者さまのお名前をもう一度いただけますか?」
テレマーケティングでは、電話口の相手の名前を記録することになっているらしい。
有益な話を聞かせてもらったので名乗ることにした。
これで、彼女の実績が一つ増えたわけだ。
もう少し話を聞きたかったがあれ以上の話はないだろう。
そして、同時に。
この会社は私から確実に信用を失ったわけだ。
それどころか、しばらくは同じ話を私の口から何十人にもすることになる。
マイナスの影響はもう少し大きくなるかもしれない。
(営業トークの失敗例として話をするだけで私に悪意はないので念のため)
ちなみに、この会社にはウェブ解析士はいないようだ。
でも、笑ってはいられない。
こういう勧誘が増えると、
「アクセス解析=なんかあやしい」となり、
「アクセス解析=ウェブ解析士」というようなよく区別がつかないという意識のもとで、
「ウェブ解析士=なんかあやしい」ともなりかねない。
みなさんの会社。営業トーク大丈夫ですか?