『ITパスポート』と『ウェブ解析士』を比較してみるか-14

今回は「6:システム戦略」についてキーワードをみてみよう。この分類は「システム構築」に関する戦略項目がメインだ。システム戦略などに関わるウェブ解析士がどれくらいいるのかわからないが、重複する部分はあるはずだ。

再掲

大分類中分類項目TACテキスト
1:企業と法務1:企業活動1. 経営・組織論
2. 業務分析・データ利活用
3. 会計・財務
1-1. 経営組織とヒューマンリソース
1-2. 業務分析とデータの利活用
1-3. 意思決定と問題解決技法
1-4. 財務会計、管理会計
2:法務4. 知的財産権
5. セキュリティ関連法規
6. 労働関連・取引関連法規
7. その他の法律・ガイドライン・技術者情報倫理
8. 標準化関連
1-5. 知的財産権
1-6. その他の法務知識
1-7. 標準化
2-6. システム戦略
2:経営戦略 3:経営戦略マネジメント
9. 経営戦略手法
10. マーケティング
11. ビジネス戦略と目標・評価
12. 経営管理システム
2-1. 経営戦略
2-2. マーケティング
2-3. ビジネス戦略と技術戦略
4:技術戦略マネジメント
13. 技術開発戦略の立案・技術開発計画2-3. ビジネス戦略と技術戦略
5:ビジネスインダストリ14. ビジネスシステム
15. エンジニアリングシステム
16. e-ビジネス
17. IoT システム・組込みシステム
1-3. 意思決定と問題解決技法
2-5. エンジニアリングシステム
3:システム戦略 6:システム戦略
18. 情報システム戦略
19. 業務プロセス
20. ソリューションビジネス
21. システム活用促進・評価

2-4. ビジネスシステム
2-6. システム戦略
2-7. モデリング技法
7:システム企画22. システム化計画
23. 要件定義
24. 調達計画・実施
2-8. システム企画
ITパスポート試験シラバス(変更箇所表示版) (ipa.go.jp) と「ニュースペックテキスト ITパスポート 2023年度 オールカラー図解 これ一冊でインプット&アウトプット 」から抜粋して管理人が作成

6:システム戦略

キーワードをピックアップしてみた。赤字のキーワードは、シラバスVer6.0から新たに追加されたキーワードだ。

Noキーワード意味ウェブ解析士
1エンタープライズサーチ企業内の情報を検索するためのシステムやツール
2EA(Enterprise Architecture)企業全体のビジネス戦略やプロセス、情報技術を包括的に設計・管理するフレームワークや手法
3SoR(Systems of Record)レコードシステム
4SoE(Systems of Engagement)エンゲージメントシステム
5E-R 図(Entity Relationship Diagram)エンティティ関係図
6DFD(Data Flow Diagram)データフローダイアグラム
7BPMN(Business Process Model and Notation)ビジネスプロセスモデルと表記法
8BPR(Business Process Reengineering)ビジネスプロセス再構築
9BPM(Business Process Management)ビジネスプロセス管理
10ワークフロー業務の手続きや進行を明確化し、効率化するための一連の手順
11RPA(Robotic Process Automation)ロボティックプロセスオートメーション
12BYOD(Bring Your Own Device)個人所有デバイスの持ち込み
13IoT(Internet of Things)モノのインターネット
14M2M(Machine to Machine)マシン間通信
15Web 会議インターネットを介したビデオ会議
16電子メール電子的な手紙や文書を送受信するための通信手段
17電子掲示板インターネット上でメッセージを投稿・閲覧できる掲示板
18ブログ個人や組織が定期的に記事や日記を投稿するウェブサイト
19チャットリアルタイムでテキストベースのメッセージを送受信するコミュニケーション手段
20SNS(Social Networking Service)ソーシャルネットワーキングサービス
21シェアリングエコノミー個人間で資源やサービスを共有する経済活動
22ライフログ個人の行動や情報を記録し、可視化するデジタルログ
23情報銀行個人のデータを中心に収集し、保管・管理する機能を提供する組織またはサービスのこと
24PDS(Personal Data Store)個人データストア。個人が自分自身のデータを収集・管理できるデータストレージのことです。
25SI(System Integration)システムインテグレーション。異なるシステムやソフトウェアを統合して、一つのシステムとして動作させること。
26クラウドコンピューティングネットワークを介してオンデマンドでリソースやサービスを提供するコンピューティングモデル。
27SaaS(Software as a Service)サービスとしてのソフトウェア。クラウド上で提供されるソフトウェアを利用者が利用する形態。
28PaaS(Platform as a Service)サービスとしてのプラットフォーム。クラウド上で開発環境やランタイム環境を提供する形態。
29IaaS(Infrastructure as a Service)サービスとしてのインフラストラクチャ。仮想化されたコンピューティングリソース(サーバー、ネットワーク、ストレージ)を提供する形態。
30DaaS(Desktop as a Service)サービスとしてのデスクトップ。クラウド上で仮想的なデスクトップ環境を提供する形態。
31ASP(Application Service Provider)アプリケーションを提供するサービスプロバイダ。
32アウトソーシング自社の業務やプロジェクトを外部のサービスプロバイダに委託すること。
33ホスティングサービスウェブサイトやアプリケーションのホスティング(提供)を行うサービス。
34ハウジングサービスサーバーやネットワーク機器などの設備を提供し、顧客が自ら管理する形態のサービス。
35オンプレミスシステムやサーバーを自社内で保有・運用すること。
36PoC(Proof of Concept)コンセプトの検証。アイデアや技術の実現可能性を評価するための実証実験。
37ゲーミフィケーションゲームの要素やデザインを他の領域に応用すること。業務や学習などをゲームのように楽しみながら行う手法。
38デジタルディバイドデジタル技術の利用やアクセスにおいて、情報格差や技術格差が生じる状況のこと。
39費用対効果分析投資やプロジェクトの経済的な効果を評価するために、投資額と効果の比較を行う分析手法。
40メンテナンスコストシステムや設備を運用・維持するために必要な費用や労力のこと。
41利用者満足度調査サービスや製品の利用者に対して満足度を調査し、評価するプロセス。
42システムライフサイクルシステムの開発・導入から運用・保守・廃棄までの一連の段階やプロセスのこと。
43レガシーシステムの廃棄・刷新旧式で陳腐化したシステムを

キーワード43個中、「ウェブ解析士」のテキストに登場したキーワードは10個だった。
全体では、11/43=25.6%。約26%にキーワードの重複が見られた。

  1. No11「RPA」は、自動化になくてはならない知識。今やPowerAutomateも無料化されてだれでも気軽に使えるようになった。DX推進に関わるウェブ解析士にとっても知っておいたほうがよい知識だ。
  2. No15「Web会議」は、もはや説明もいらないだろう。日常にも組み込まれている。ウェブ解析士のテキストにはあえて説明していないが、重複キーワードとしておいた。
  3. No17「電子掲示板」は、古いキーワードだな。広義の意味でSNSなどで提供される機能の利用も進んでいる。あえて、説明する必要はないだろう。それよりTeamsなどに代表される「コミュニケーションツール」のキーワードを掲載するほうが良いと思うな。
  4. No27「SaaS」は、ウェブ解析士のテキストに載っていないが、ウェブ解析士が多用するサービスであるGoogleドライブや検索、アナリティクスなどは「SaaS」である。説明していないので、どこかで触れておくほうがよいだろう。もしかしたら、「SaaS」であることを知らない人がいるかもしれない。
  5. No33「ホスティングサービス」も、ウェブサーバなどの設置にかかわることがあるウェブ解析士には説明しておく必要があるだろう。

次回へと続く


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参考