― データ解析から「価値を伝える設計」へ
あけましておめでとうございます。
本年最初の投稿です。
年のはじめということもあり、
あらためて「これからのウェブ解析士の役割」について考えてみました。
AIの進化によって、ウェブを取り巻く環境は大きく変わり始めています。
文章生成、要約、分析、仮説立案――かつては専門家のスキルとされてきた領域に、AIが自然に入り込むようになりました。
こうした状況を前にして、
「ウェブ解析士の役割は、これからどうなっていくのだろうか」
そんな問いを持つようになりました。
本記事は、明確な結論を提示するというよりも、
AI時代におけるウェブ解析士の立ち位置について、一度立ち止まって考えてみた記録です。

データ解析主体のアプローチは、変わり目に来ている
これまでウェブ解析士の価値は、「データを扱えること」にありました。
- アクセスデータを読み解く
- 数値から仮説を立てる
- 改善案を論理的に説明する
これらは今も重要ですし、不要になるわけではありません。
ただ、現場感覚として、次のような変化を感じる場面が増えてきました。
- 基本的な集計や傾向把握は、AIが短時間で行える
- 数字そのものより、「それで何が言えるのか」が問われる
- ツール操作より、解釈と設計の質が重視される
データ解析という行為そのものが価値なのではなく、
その解析を、何のために使うのかが強く問われるようになってきたように思います。
AI時代において、相対的に価値が高まるもの
一方で、AIが得意になればなるほど、
人が担うべき領域も、よりはっきりしてきます。
それは、
- 企業がどのような存在なのか
- どの価値を、誰に伝えたいのか
- そのために、どんな順序で情報を届けるべきか
といった、意味や文脈の設計です。
AIは文章を生成できますが、
「その企業にとって、何を語るべきか」を決めることはできません。
ここに、ウェブ解析士が関われる余地があるのではないかと感じています。
ウェブ解析士の役務は、どう変わっていくのか
そう考えると、ウェブ解析士の役務は、
- データを解析する人
から - 企業の価値を正確に伝えるためのサイトづくりを支援する人
へと、少しずつ重心が移っていくのではないでしょうか。
具体的には、
- 見出し構造は、企業の考えを正しく表しているか
- キーワードは、自社の強みや立ち位置を的確に示しているか
- 導線は、閲覧者の理解や判断を自然に後押ししているか
こうした点を、感覚ではなく、
設計と検証の視点で整理する役割です。
GA4もAIも、「使うこと」が目的ではない
この文脈では、GA4もAIも位置づけが変わります。
- GA4は、成果を測るための道具
- AIは、設計や検討を加速する補助輪
であって、それ自体が目的ではありません。
「数字を見た」「AIを使った」で終わるのではなく、
- 価値は正しく伝わっているか
- 閲覧者は、次の行動に進めているか
その確認のために使う、という順序が重要になります。
協会が示すべきコアスキルとは何か
こうした考えを踏まえると、
ウェブ解析士のコアスキルとして、次の軸が見えてきます。
- オウンドメディアにおいて
自社の価値を、誤解なく表現できているかを設計・検証する力 - その結果として
閲覧者の行動につながる状態をつくる力
PVや直帰率といった指標は重要ですが、
それ自体が成果ではありません。
成果とは、
閲覧者が理解し、判断し、行動できたか
この一点に集約されるのではないでしょうか。
解析を手放すのではなく、位置づけを変える
誤解を避けたいのは、
これは「解析をやめる」という話ではない、という点です。
むしろ、
- 解析を、価値表現の妥当性を確かめるために使う
- AIを、設計の精度と速度を高めるために使う
という、役割の再配置に近いものだと考えています。
なお、この流れは、ウェブ解析士に限った話ではないようにも感じています。
中小企業診断士の世界でも、近年は「伴走支援」を念頭に置き、
単発の助言や分析にとどまらず、
企業と同じ目線で課題に向き合い、継続的に支援していく姿勢が
重視されるようになってきました。
計画を作ることや、課題を指摘すること自体がゴールではなく、
企業が自ら考え、判断し、行動できる状態を支える。
そのために専門家が隣を歩く──
そうした役割が、より強く求められているように思います。
おわりに
AIやツールの進化によって、
専門家の役割は、これからも形を変えていくのだと思います。
その中で、ウェブ解析士は
「何を分析できるか」よりも、
「その分析を、どんな価値につなげるのか」が
より強く問われる存在になっていくのではないでしょうか。
データやAIを使いながら、
企業の価値が正しく伝わり、
その結果として閲覧者の行動が生まれる状態を、
ともに考え、整えていく。
本記事で整理してきたのは、
そうした関わり方への一つの視点です。
これからのウェブ解析士の立ち位置について、
皆さんはどのように考えますか。